「タマヌオイルが島民に生きがいを与えてくれた」naureのタマヌオイルが生まれた池間島。

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沖縄県池間島生まれの社会派化粧品【naure

宮古島から橋で繋がる離島「池間島」。その島の小さな集落に、「ヤラブの木」という工房があります。ここで製造しているのは、宮古島のヤラブの木の実を用いたナチュラルスキンケア製品の「naure ピュアタマヌオイル」です。

 

 

ブランドを立ち上げられたストーリーや取り組まれている活動について、「ヤラブの木」三輪大介様、三輪智子様からお話をお伺いしました。

読んでくださった、あなたにもこの島の魅力、そして製品の魅力が伝わることを心から願って。

 

 

タマヌオイルとの出会い、商品化に至ったきっかけ。

 

三輪さんは島おこし、地域づくりの仕事をされてきた。その中で、島のお年寄りからとても多くのことを教えてもらい、それは、消えゆく島の言葉や唄であったり、伝統的な漁法や農法であったり、自然の恵みをいただく知恵や経験に培われた手業、懐かしい光景や想い出の味であったり
それらをただ記録するのではなく、暮らしの中に「埋め戻していく」こと、それがお二人の目指す仕事だったと言う。
古きよき時代を懐かしむのではなく、ここから未来を展望する鍵を探そうと手探りの日々
島の在来樹木に注目し苗木を育てる活動をスタート在来植物として眠っているものを復活させて次の世代へ残していけたらという気持ちがあった。

苗木作りの中ではテリハボクは潮風や台風にも強く優秀な木だった。苗木はたくさんできて、植樹も行っていた。

 

島に暮らしているのは高齢者が多く、そのおじいちゃんやおばあちゃんが庭先でできるような小さな仕事をたくさん作っていきたいと考え、植樹の為の苗木に水をあげたり、お世話してもらうことを依頼。2、3年後に大きく育ったら買い取って植樹活動を通して循環をつくれたらと考えていた。しかし、おばあちゃん達からは待ちきれずに早く取りにきてという声が。苗木ビジネスを考えたのだが時間がかかるということでその時はうまくいかなかったという。

 

 

一度失敗に終わった苗木ビジネス。しかし、苗木はたくさん残ったので活用できないかと色々と情報を調べ始めた。そうするとテリハボクは南太平洋の「バヌアツ共和国」で古くから薬として伝わっていることがわかった。たまたまその時期にバヌアツに友人がいたこともあり、協力し情報を共有して種を採ってまずは自分たちでできることを始めたという。2015年、島に街路樹や海沿いや畑の垣根などに豊富に生えていたハリテボクの木に注目し、たくさん落ちる種を集め始める。そして、タマヌオイルの圧搾事業へと動き始めたそうだ。

 

唐津の工場や搾油機のメーカーなど様々なところに問い合わせ、足を運び試し、調べていく。そして、2017年にこれだったら仕事も作りながら、防風林として大切な木を育て、オイルを作るという事業もできるのではないかと開発を始める

タマヌオイルは「カロフィロイド」という抗炎症作用はすでにバヌアツではメジャーになりつつあったそうだ。しかし日本で受け入れられるのかという漠然とした不安を感じる。そして、アルデバラン株式会社の暮部達夫さんとの出会いがあった。このオイルが市場で価値があるのか、必要とされるのかということを尋ねると、暮部さんから即そのオイルが欲しいとの答えが返ってきたという。

 

【タマヌオイルの効果効能】

抗炎症作用

抗リウマチ作用

抗フリーラジカル作用

循環器系の不調改善

鎮痛作用

創傷治癒作用など

 

 

ピュアオイルとボディオイルがある訳

 

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タマヌオイルを商品化される際にはクラウドファンディングを行われている。その時のリターンとして、商品をお渡しすることとしていた。

 

【クラウドファンディングとは】

クラウドファンディングという言葉自体は比較的新しいが、人々から資金を募り、何かを実現させるという手法自体は古くから存在していた。寺院や仏像などを造営・修復するため、庶民から寄付を求める「勧進」などがその例。インターネットの普及に伴い、2000年代に米国で先駆的なウェブサイトが続々と開設され市場が拡大してきた。代表的なサービスにIndiegogoやKickstarter等があり、特にアメリカやイギリスではクラウドファンディングは資金集めの方法として一般的なものになりつつある。

https://readyfor.jp/crowdfunding/ より引用

 

ピュアなタマヌオイルは香りも独特であったり、あまり認知もされていなかったのでもう少し伝えやすいものにしたかった。そこで暮部さんに相談を持ちかけ、まずは地元の宮古島のエステサロンで使ってもらえるようなマッサージオイルを作ることになった。香りやテクスチャーも使いやすいタマヌボディオイルはマッサージオイルとして開発されたそうだ。

 

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三輪さん曰く、人気は圧倒的にピュアオイルなのだそう。「植物そのままの効果」を体感したい方がやはり多いのだと言う。ORGANIC MOTHER LIFEでは南国生まれならではの抗酸化作用から紫外線ケアとしてもおすすめしているが、タマヌオイルの抗炎症作用にも注目しており、アレルギーやアトピーへの効果も大きくフォーカスしている。その紹介文をご覧になって、三輪さん達自身も知らない魅力があったと言って頂くことができた。

 

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動画撮影のための打ち合わせの際に、タマヌオイルの次は日焼け止めの開発を目指している話をご夫妻から聞いた。SPF数値の話題となり「果たしてSPFは必要なのか」ということについても、自社商品である「日焼けケア美容液」であるサンケアスキンセラム を通して「予防美容」の魅力をお伝えさせて頂き、現地の人では気がつかない消費者目線のニーズをシェアすることもある。

「予防美容」という観点で日焼けケアを提案することができるということ。

そして現代の女性のお肌の健康を考えるということ。

私たちはセラピストとして、お客様がどのようにこのコスメを使用できるかや、お肌に合わせての処方の意味をお伝えしている。生産者さん達と協力し合い、私たちにできるアプローチでお客様へさらにその魅力をお伝えできる役割を担っていきたい。

 

 

 

タマヌオイルづくりを行ってくださっている皆さん

 

 

島のおじいちゃんやおばあちゃんは池間島に移住した三輪さん達に「手伝ってあげるよ。」と声をかけ、『二人を支えたい』と力を貸してくれているのだそう。そしてお二人は、島に住むおじいちゃんやおばあちゃんに〈生きがい〉を与えること、そして島が活性化していく活動を行っている。

 

三輪さんが感動したという島の方の姿。

 

 

三輪大介さんが、ここ最近嬉しかった事を笑顔で教えてくれた。

 

隣に住むアルコール依存症のおじいちゃん。地域に人にも「あいつは何にもできん。」と言われ続けてきた。

そんなおじいちゃんが朝早くからテリハボクの種を割るようになっ

おじいちゃんの仕事は誰よりも繊細で丁寧だった。殻の一つ一つを丁寧に取り除く。いい仕事をする姿にさらに感動してしまったそう。

また、家に引きこもりがちの自閉症の男の子もまた作業を手伝うようになってくれた。「お前やれよ。」と言われたわけではなく、彼の方から自分にもやらせて欲しいと動き始めた

夜明けから種を割っている姿を見て、三輪さんの中で「小さな社会が変わり始めた」そんな想いが込み上がったという。

それは、大きな感動体験だった。

 

今は種がまだ集まっていないので作業は始まっていないそうだが、通りすがりに三輪さん達に向かって「楽しみにしているよ。」と声をかけてくれるという。

社会の中の一員として『役割を果たしている』ということ。

彼らにとっての『やりがい』を実感してもらうことが出来たのだという。島民の人たちにやりがいや、生きがいになる仕事を与えていけるという事に確かな〈可能性〉を感じたお二人はまるで自分のことのように嬉しそうに語る。

「こんな私たちでも小さな社会を変えることが出来る。」

その言葉が何よりも印象的だった。

 

 

 

実際に協力してくださる方達

 

 

タマヌオイルづくりには、15人ほどの島の高齢者の協力がある。

池間島の人口自体は約560人。しかし実際にこの島で生活しているのは300人程度なのだそう。池間島から沖縄市内へは橋を渡っていけるので市内で仕事をしていたり、そこに家を持って暮らしている人が多いのだという。島に暮らしているのは圧倒的に高齢者が多い

しかし、最近では沖縄市内の方からも三輪さん達の取り組みに興味を持ってもらうことが増え市内の障害者の就労支援の団体と協力し、実際に種を集めてもらったり割る作業もお願いしている。

 

ヤラブの木の取り組み

 

 

お二人は池間島で約7年の間、島を元気にするために活動してきた。

島民のお年寄りの方たちから、いろんなことを教えていただきながら『この島の未来に残していきたいことは何か』『この島の知恵や技術や魅力をどう活かしていくか』を日々考え続けた。

【島を元気にする】ということが三輪さん達のミッションだった。そして【島の自然環境を保つ】ということは、切っても切り離せない関係であることがわかった。

 

池間島の環境問題について

 

池間島は漁師達の町だという。

しかし、漁師のおじいちゃん達から昔と比べて魚の種類も量もとても減っているとの声があった。

 

 

問題の構造コミュニティと自然環境の関係。自然環境が変化してしまった要因は大きく分けて4つある。

【アンダーユース/放置】

人が元々関わりを持つことで成り立っていた自然環境が人の手が離れ、放置されることによって荒廃してしまうこと。利用不足であること。充分に活用されていないこと。

【オーバーユース/開発】

使い過ぎること。酷使すること。アンダーユースの逆。

【外来種と化学薬品】

【気候変動】

これらを改善するためには環境の保全、豊富化を必然とする新たな産業の仕組みが必要だという。

 

誰一人取り残されない世界の実現のためには

 

「SDGs」が掲げる、誰一人取り残されない世界の実現。

 

【SDGs  とは】

SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。そもそもどう発音するかというと、SDGs(エス・ディー・ジーズ)です。時々エス・ディー・ジー・エスと読まれる方がいらっしゃるのですが、最後はGoals(ゴールズ)の略です。

SDGsは2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。

 

社会の中で取り残されているのは誰だろう?と、考えるようになった三輪夫妻。

畑に行けなくなった高齢者、先ほどのお話にもあったアルコール依存症の方など心に病を抱えている方、怪我や病気でフルで働けない方々など。社会との関わりが少なくなり、自信がなくなってしまいお家へ引きこもりがちになってしまう

そういった方々が、社会とつながる場所が必要だ。

コミュニティの基礎体力を高めるためには、社会との関わりを持てる場を作ってあげることが重要なポイントである。環境を豊かにすること。そして、『大きな工場をつくる』ということではなく、お二人は誰もが関わることのできる『小さな仕事』をたくさん作り出せることのできる産業の形を目指していきたいという。

 

タマヌオイル・プロジェクト

 

 

お二人の行っている【タマヌオイル・プロジェクト】は負のサイクルを逆転させた。

 

このプロジェクトの核となるのがテリハボクの種から採れるタマヌオイルを作るという取り組み。テリハボクは石垣島や宮古島で昔から防風林として垣根として植樹されてきていた資源量としてはたくさんあるが、今までほとんど活用というのはされてきていなかった。

大量に落ちる実も、これまでは捨てられていたのだそう。

 

 

種を拾って、殻を破る、天日で自然乾燥させてから、コールドプレス処方で搾油をする作業。

 

①原料調達 ②下処理、搾油

 

 

原料調達や下処理の行程は特別な技術や体力を必要としないので、高齢の方や、フルで働けないような方でも手伝うことができる

おばあちゃん達は何もやることがないと、お家に引きこもって過ごしてしまうという。

仕事を作り、毎日関わることで「こうやってみんなが集まってできると、楽しいさぁね〜。」「このオイルを塗って美人になって、また恋をするさぁね~。」と90歳のおばあちゃん達が嬉しそうに喜んでくれるのだ。

 

 

それぞれ好きなタイミングで、「午前中に畑に行けない時に行くね。」や「お家でテレビを見ながらやったよ。」など、それぞれのペースで好きな時に好きな場所でお仕事をしているのだという。

最近ではそのおばあちゃん達の息子や娘世代の60代、70代の方が一緒に種割の作業を手伝ってくれるなど、様々な人たちへと広がっている。

 

 

そして割ってもらった種を天日で乾燥させる。

湿度が高い時や雨の日などには、それぞれが納屋にしまってもらったりと少し手間はかかるが自然乾燥というところにこだわっているのだという。

 

 

そして搾油へと移っていく。

搾油機も工房にあり、全て池間島で行われている。

 

 

③製品開発 ④宣伝・販売

 

 

搾油したオイルから化粧品に変わり、販売へと繋がっていく。

そして得られた収益からまた、様々な活動へと繋がっていく。

 

⑤森づくり

 

 

荒廃している海沿いの森

手つかずのところもあるという。島の共有地でもあるので、活用してそこの手入れをして、テリハボクの植樹も行われているもともと島を守る防風林として機能していた場所である為、その機能を取り戻し沿岸の環境を再生させていくことが必要

そして将来的にこの植樹をした場所からも、誰もが種を集めることができるようにもしていきたいと考えられているそうだ。

 

こういった植樹活動などを島のイベントとして毎年行われている現在では270本程のテリハボクが植えられていて、順調に育っている。2年後くらいにはここからも種が採れるのではないか。少し気の長い話だが、継続して今後も沿岸沿いの植樹活動を行っていきたいと思っている、と語る。

 

森の管理は除草剤などは使わずに行われている。

この森づくりによって沿岸の環境を少しづつ整え、再生をさせて、それによって観光資源や漁獲量が増えていくことによって、環境業や漁業の底上げをする。そして、島にあるテリハボク以外にもまだまだある素材を生かした特産品づくりなどの仕事をつくる。そして、いずれは高校を卒業した子達や若い世代がこの島で働けるようになり、若い世代が島に戻ってくるようになることで、島を回復、再生させていくことがお二人の願いだ。

 

 

タマヌオイルを作れば作るだけ、島の暮らしが安定して豊かになっていく仕組みをつくり、売り出していけたらいいなと考えている。

 

⑥新たな素材開拓

 

 

昨年は、島の中学生の皆と、総合学習を行なった

学習のテーマは『島に仕事を作る』

島にある素材には、どんなものがあるんだろう?とあるもの探しから始めた。そして、そこからどんなものが作れるのかを考える。学生からハイビスカスやアロエから化粧水を作りたいという意見があり、アルデバラン株式会社の暮部さんを講師としてお招きし、化粧水作りのワークショップを行なったという。

今後やりたいとお二人が考えていることは、『この島には何にもない』ではなく、島の子ども達が自分の未来や島の将来に希望を持てるようなアイデアを子ども達と一緒に考えていくこと。

中学生の子達は自分の将来、この島で働くことを現実的に考えているという。

島は限られた小さな社会なので高校を卒業して、就職して働くとなると数えられるほどの職業しかないと理解している。しかし、そこで三輪さん達は、もっと色々な可能性があるんじゃない?と、自分で仕事を作ることや夢を実現させるような働き方というのを土台となるところから一緒に考えていきたいそうだ。

 

ヤラブの木の目標

 

POLICY

「ちいさく、ゆっくり、やわらかい」

・いまある自然を壊すことなく、よそから資源を奪うこともありません

・オイルをつくればつくるだけ森が増え、豊かな海を守っています

・高齢者を中心に小さな仕事がたくさん生まれています

・未来へ向けて、新しい森づくりもはじまりました

 

日本全国、過疎高齢化が進みどこの地域にも言えることだが、掲げた4つの目標は池間島も同様で、過疎高齢化が進んでしまうことを防ぐ大きな一歩になるのではないかと考えられている。

みんなでつくった【ヤラブの森】が今後、防風林の機能、そして里山として成長していってほしいと願っている。

よそから奪うことなく、あるものを壊すことなく、島の未来を広げていけたら。と、優しい言葉で締めくくられた。

 

私たちにできること

 

都心に住む「私たちができること」はありますか?と最後に三輪さんに尋ねた。

 

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自分たちがつくっているものが東京で販売されること『製品を評価してもらえている』という喜びに繋がる、と教えてくれた。

そしてその製品がどのように評価を受けているかという事を、島の皆さんへ返していきたいという。また、新たな効果を知り、どんな方達に求められ、受け入れてもらっているかということも知っていきたいそうだ。

私たちセラピストは、この心のこもった製品がお客様へ届き、お客様の反応を間近で感じることができる仕事である。しかし生産者の方は、手間暇かけて送り出したものがどういった形で、誰に届いているかを近くで感じる事はできない。

私たちがまずできる事。

お客様の感動を、島の皆さんへ届ける事

そして島の皆んさんの想いを『知ってもらう機会』を増やす事。

皆さんの声を届けられる存在として、今後はさらに活動していきたいと強く思う。

 

 

 

 

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Ai Fujioka

ORGANIC MOTHER LIFE - Ethical House -にて、オーガニックビューティセラピストとして勤務しています。坂田と一緒に「Mais...

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