「障害者雇用を考える」新潟の就労支援施設ソラシードでみた新しい働き方。
新潟にて障害者就労支援施設へお伺いしました
5月に発売する「Botany」botanical remedy series全てに使用するタグの紐を結ってもらっている〈ほほえみほのか〉さん製造の一部を委託する〈ソラシード〉さんへ、昨日お邪魔してきました。
楽しく働き、楽しく暮らそう。
自然豊かな新潟県阿賀野市の五頭山麓で
天然のアロマミストや植物由来の
オーガニック化粧品の製造などに取り組んでいます。
杉のおがくずを蒸留してつくる
リネンウォーターが看板商品です。
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その他にも、有名コスメブランドのOEMも行っています。
ソラシードでつくる【熊と森の水】は、
「しょうがい しゃだって いろいろできる!」を
合い言葉に
県内の複数施設が集まり
全国に流通のできるような商品開発に取り組む
「SpecialMix」に参加しています。「SpecialMix」は
障がいを持つ人たちの自立を支援する
オリジナルブランドとして
2012年に立ち上げられ
これまで6施設が参加してきました。商品をつくり一般の皆さんに
届けるという事
一般の企業がやっているような
仕組み、流通をつくることの難しさを
感じつつもたくさんの方に
応援していただきながら
頑張っています。
ほほえみほのかさんでは障害を持った利用者の方々が様々な糸を用いてストールや紐、バックなど、様々なものを制作しています。お写真の撮影許可お顔出しも、ありがとうございます。
これら施設の目的は「生まれ持った障害で社会的自立が難しくとも毎日通所し笑顔でサヨナラが言える施設であること。ひとりひとりを「主人公にすること」を心がけ支援すること。地域に根ざしていける様に地域にも保護者にも本人にも働きかけること。」だと言います。
今回ご縁をいただきましてBotany seriesに使用する紐を結う現場や利用者の皆さんにお会いしたくて新潟まで向かったのです。
この日は、新潟には珍しいほどの暖冬で。雪一つ見れない暖かい新潟でした。ソラシードの理事を務めている本多さんに連れられてソラシード、ほほえみほのかさんを巡り障害者の方々がどんな風に働き周りの人たちがどんな風にサポートしているのかまずは、自分の目で学びたくて。
出迎えてくださった皆さんは本当に穏やかで私が想像していたものとは違いました。
とってもフレンドリーで、暖かい。女性社会の中でずっと働いてきた私にとって女性特有の職場の雰囲気しか知らないのでなんて書いたら上手く伝わるのか分からないけれど「いつでもおいで」って、そう言われてる気がして少し長居してしまうほど。
もちろん、歩み寄り、分かち合うまでにはたくさんの工夫と注意が必要なのもわかる。自分よがりの「支援」なんて、意味がないことも。だからこそ、慎重に学んでいる。勢いだけではここは通用しないことが、ちゃんと分かってる。
ほほえみの施設の中で一人の女の子が私に編み紐の作り方を教えてくれました。きちんと、声掛けまで。「こうやって数えるんだよ、一個づつ」と洗濯バサミの数を数えながら紐を織っていくという。少し緊張しながらもハンドルを握って回し始めると堂々と声を掛けて織っていく。その姿はなんだかとっても逞しくって親の気持ちになって、少し涙が出てしまう。
自分の仕事に責任を持って取り組む姿は健常者と呼ばれる人たちと何一つ変わらないし彼らだって一生懸命に仕事と向き合っている様に思えました。あとは、周りの理解と配慮が必要で。この環境をどうサロンの中に作ればうちに来る子たちは幸せになれるだろう。ずっと、この旅の中で考えていました。まだまだ未知な障害者就労支援の世界ですがほんの少しだけ、知りたいことが知れた見たい景色が見えた。・・・そんな、気がしたんです。
最後、外まで送ってくれた方が一人。小指を差し出して、こう言いました。「今度は娘ちゃんときてね、約束だよ」ってね。また一つ、帰る場所ができました。
Botanyが、製造の過程から多くの人に愛されて、助けられて、育てられてより多くの女性のために輝きますように。そして、素敵な製品になりますように。完成したら、届けよう、ちゃんと出向いて。
突然お邪魔した中でも暖かく出迎えて下さり本当に本当にありがとうございました。
ソラシードで生まれる様々なオーガニック製品たち
私のサロンにはソラシードで生まれたコスメが多種販売されています。
彼らはそれぞれ知的障害などの障害を持ちその中でもここに通所する事で仕事に責任持ち、少しでも働く意義を見つけるためにただ直向きに向き合っています。ここではオーガニックコスメのOEMを行っています。
彼らの取り組みとこれまでのストーリーを知ることができますよ。是非、読んでみてくださいね
精油の蒸留器を担当する青年が私に機械の使い方を丁寧に教えてくれた。ここで新潟の越後杉から精油成分や芳香蒸留水を摂り様々なオーガニックコスメの成分を作っているという。
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バインダーに挟まっている紙には蒸留した時間、その経過で測った温度、結果や改善点などが
彼なりの一生懸命な文字で綴られている。「こうやって書いていくといい香りの成分がちゃんと採れるんですよ」と自慢気に教えてくれた。この日は清掃のタイミングだったようでどんな風に清掃しているのかとっても詳しく教えてくれる。お庭に出ると、外にはラベンダーやローズマリーの小さなハーブ園が広がっていてここのハーブも採っても蒸留するという。
「次来たときは体験してくださいね」
ひとつひとつ丁寧に雑巾を洗って、丁寧に干して。随分と綺麗に整った場所はきっと彼が毎日こうして掃除をしてくれているからですね。
奥の部屋には充填室があってそれぞれの利用者の皆さんがラベルを貼ったり、箱に詰めたりそんな現場も見せてもらいました。これから新商品を作るようでこっそりラベルも見せてもらい「素敵だね」って笑い合う姿が、とっても印象的で。施設の壁に貼られた利用者とスタッフのみなさんの写真もすごく素敵だった。
ソラシードでは地元の結婚式やお寺で使い終えた「ろうそく」を回収してそれを一度溶かし、杉の木屑と合わせて〈着火材〉を作っているという。
その工房も見せてもらった。中にはそれぞれの持ち場を黙々とこなす皆さんがいて真ん中で指示を出す男性とそれぞれスピーディーに作業がこなされていた。工房に入ると、皆んな元気に声を掛けてくれる。
一度溶かしたロウをこうしてリサイクルする工程はまさにサスティナブルな製品だ。こういった製品に彼らが携わっていることを本当はもっと消費者にも知って欲しいと思う。なんとなく、じゃなくて、しっかりと。彼らの背中を見て感じ取れる製品の魅力もあると思うからね。
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広々とした工場の「仕組み」は誰がどうやって作ったのか
それらに携わってきた人達に会い、話を聞き、その労力の裏にある家族のように愛おしく接する気持ちと「障害者就労支援」という大きな課題に取り組みボランティアだけでは終われない仕事として利益を生み出さなくてはいけないその背景に共感することが、沢山あったと思う。
支援、ボランティアビジネスをたまに批判する人がいる。それらに取り組む人もボランティア、支援だから儲けてはいけないと自分の気持ちにストッパーをかけてしまう人がいる。でも、必ず支援もボランティアも「利益の仕組み」を整えなかったら疲弊した気持ちや体力が回復する間も無く必ずといっていいほど、その支援には終わりが来て残された人たちが、結局苦労することになる。私に、彼らは教えてくれた。
「ちゃんとビジネスとして考えている。彼らと利益を生み出す事でみんなが幸せにならないといかないんです。」と。
必ず支援する側が気持ちも体力も回復する対価を生み出し続ける事。優しい気持ちを持っている彼らにとってそれはそれは大きな課題だと思うけれど心から頑張り続けてほしいと願ったし出来ることは、少しでもお手伝いがしたいと思えた。こんなとき、いつも思うんだ。大きな世界や環境や気候を変えることは私個人では出来なくても身近に困っている人や救いたい人の力になることは出来るってこと。
今は娘やスタッフ信じてくれるお客様や生徒さんのために全国を飛び回りながら新しい環境を作る努力を続けているけれど、これがもっと「パーソナル」対個人から「ソーシャル」対社会に変わっていく時が来る。
私はまだ子供だから経験値が低すぎて、発想が及ばないこともきっとこうして学び続けて尋ねて、目で見て、感じ続ければ感性が磨かれていくはず。必ず、私も、成長する。
今は何にも出来ないけれど、いつか必ず大きな支援を生み出せる組織になりたい。来月から私たちのサロンにも知的障害を持った同い年の女性がやってきます。まだ数回しか会えていないけれどいつも笑顔で、可愛らしくて、一生懸命です。分け隔てなく接していく勇気をもらいました。すごくいい経験に感謝です、ありがとうございました。
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